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地獄を通る道 見守る仏様
元箱根石仏群 神奈川県箱根町

マークのある写真は拡大できます。 2017.9.11更新
二十五菩薩像(西側)
 国道1号線沿いの精進池(しょうじんがいけ)周辺にある鎌倉時代後期(一部室町時代初期)の遺跡。溶岩崖にそのまま彫った磨崖仏や、溶岩を切り出して造った宝篋印塔が点在。
中世の箱根越え・湯坂道が通ったが、荒涼とした風景は地獄と恐れられていた。そこで、安心してもらうよう石仏や石塔が造られ祀られたという。
江戸時代になると、近隣に湯治客が増え観光名所になる。
明治以降の新道建設や、大正期の国道1号線へ改修などで環境が激変。多くが荒れ果てたが、様々な処理や補強で蘇り、公園化、遊歩道整備などで、気軽に見学できるようになった。
国の史跡、国の重要文化財。

芦の湯バス停付近
湯本方面から入る場合、芦の湯バス停から遊歩道が始まる。
石仏・石塔群保存整備記念館(バス停は六道地蔵)までが一区切り。
そこまで約1kmで、分岐の先2ヶ所往復を合わせ約1.2km。
曽我兄弟・寅御前の墓
左側2基「曽我兄弟の墓」と、右側1基「虎御前の墓」が並んでいる。
高さ約2.5m。国の重要文化財。


二十五菩薩像
安山岩の大きな岩塊を彫った磨崖仏群。
国道1号線を挟んで西側23体と東側3体の2ヶ所、全部で26体。
一体の大きさは、0.2m~1m。全体の見た目はとても印象的。
東西は地下通路で行き来できる。国の重要文化財。
二十五菩薩像(西側)

二十五菩薩像(東側)

西側と東側を結ぶ地下通路

宝篋印塔
「多田満仲の墓」と伝わる石造宝篋印塔。
永仁4年(1296年)の銘と正安2年(1300年)の追銘が確認できる。
相輪除く高さは約3m。国の重要文化財。
八百比丘尼の墓
宝篋印塔で、一部が欠けている。
「観応元年」と銘があり、室町時代初期に作られたことがわかる。

応長地蔵(火焚地蔵)
精進池近くにある磨崖仏。高さ1.24m。
大きい地蔵菩薩一体と、小さい地蔵菩薩2体が彫られている。
この地域の風習で、身内に不幸があると、この地蔵の前で送り火をたくなどを行った。
国の重要文化財。


六道地蔵
安山岩を彫った像高3.2mもの地蔵菩薩坐像。
遊歩道の分岐から国道1号線をくぐり階段を上ると、覆屋(地蔵堂)が見えてくる。
左側の岩に正安元年の刻銘が確認できる。※正安元年は1299年。
国の重要文化財。


精進池(しょうじんがいけ)
駒ヶ岳が背景に見える神秘的な雰囲気。以前は周辺を地獄と呼ばれ、恐れられていた。

石仏・石塔群保存整備記念館
国道1号線沿いで精進池隣接の高台。
解説パネルなどで石仏群について概略を学べる。
10時から16時まで。無料。


現地の看板


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