古木も咲き香る
富士山望む梅の花
修善寺梅林
静岡県伊豆市修善寺
201622日制作
修善寺温泉街のちょうど裏山部分に広がる梅林。
面積3万平方メートルの広大な丘陵地に、20種、約1,000本の梅が見事。
いっぱいに紅白の梅が咲き、甘い香りにつつまれる。
樹齢100年を超える古木もある歴史の長い梅林だ。
2月初旬から3月中旬、花の時期に「修善寺梅まつり」が開催されて賑わう。

富士見台から見た天城方向

「修禅寺物語」の碑

西梅林






◆旅行記◆
当初は、修善寺温泉街から車で梅園に行くつもりだった。
しかし、修禅寺で「梅林まで徒歩40分」という看板を見つけ、一転歩くことにした。

梅林までの道
修禅寺山門のところを左に曲がり、曲がりくねった道をどんどんと登って行く。
坂道はすぐに急坂になり、日頃の運動不足が出て結構疲れる。
桂谷トンネルの下をくぐると、坂道は山道に変わっていく。
梅林まではあと少しの距離と思われた。
長い自然の坂道(整備はされている)を歩いていくと、要所要所に「桂谷八十八箇所碑」があるのが見える。
これは1930(昭和5)年、当時の修禅寺三十八世・丘球学大和尚が築いたもの。
四国八十八箇所霊場の土を埋め、仙台石に弘法大師の像を彫って1〜88番と番外1基を修善寺各所に配置した。
この巡拝で「四国八十八箇所霊場巡拝」と同じ功徳が得られるという。

桂谷第9番の碑
高浜虚子の句碑がある。
高浜虚子は度々修善寺を訪れ、なじみ宿の女中に俳句を贈るなど、修善寺とゆかりが深い。
2句が刻まれている。
「宿かさぬ 蚕の村を ゆきすぎし」
「金屏に 推しつけて 生けしさくらかな」

高浜虚子の句碑
温泉場から約40分、梅林の中に入ってきた。
東西に分かれている修善寺梅林の「東梅林」である。梅も五分から六分咲きとなっており、ちょうど見頃だ。
「この順路で行くと、梅林を約20分で散策するコースです」という案内に従って鑑賞することにした。

東梅林入口(分岐点)

東梅林




東梅林・富士見台からの眺め
林の中には、この地を訪れた歌舞伎役者・市川左団次の句碑もある。
高台を上っていくと、「富士見台」というスポットがある。
ここは名のごとく、天気がいいと霊峰富士山を拝むことができるが、この日は少し曇り空で見えなかった。
が、ほんの一瞬、白く染まった頂上を拝めた。
この「富士見台」には、四阿(あずまや)もあるので、お弁当を持ってきた人はここで食べるのも良い。

双咬山荘付近から見えた富士山
次に、西梅林へと入る。
ここは平地が多く、のんびりと散策できる。
紅白の梅が咲き誇る姿は、春らしさをとても感じさせてくれる。
写真を撮る人が多数いた。

西梅林への道

西梅林
和民家風の双咬山荘では野点を楽しんだり、「梅まつり」の時期には抹茶のサービス(有料)がある。

双咬山荘
また、少し進んだ売店では、鮎の塩焼きやそば、伊豆ならではの「焼きしいたけ」などを売っている。
売店そばには、修禅寺の源頼家の面をモチーフにした名作「修禅寺物語」の碑があった。
こうして20分間の散策コースは終わる。

売店

鮎の塩焼き
駐車場から虹の郷方向を経て入るのも良いが、歩いて見に行った梅林の素晴らしさはまた格別。
ぜひ、温泉場からの散策をおススメする。
足元が悪い部分があるので、スニーカーが望ましい。

おでかけの際は最新情報をお確かめください。
修善寺梅林散策図(現地設置の看板)