函館の路面電車に1台だけ活躍する昔ながらの単車。街行く人が振り返るような存在感がある。
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誕生は1910(明治43)年。当初は、成田山(千葉県)を走る成宗電気軌道の電車で、参詣客などに利用されていた。函館にやってきたのは、1918(大正7)年のこと。さらに1937(昭和12)年には、冬用のササラ電車となった。雪を払うホウキ状のササラを取り付けられ、除雪で活躍していた。
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1992(平成4)年、函館市制70周年記念で旅客車に復元。 台車は、ササラ電車時代のものをそのまま再活用。車体は、当時の図面を基に製造された。翌1993(平成5)年より「箱館ハイカラ號」として走り出した。
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運転台部分はオープンデッキで吹きっさらし。当然の如く冷暖房の設備はないので、運行は4~10月。赤と白に塗られたダブルルーフ(二重屋根)も特徴。現在の電車と並ぶと、まるで「おじいちゃんと孫」のよう。後ろのデッキから乗り込み、女性のアテンダント(車掌)から乗車券を購入する。
写真やイラストが入った券で、乗車記念として人気。
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古い電車だけあって揺れが大きく、吊り掛けモーター特有のモーター音が響く。しかし、今ではこれが人気。珍しい体験が嬉しくて、心も揺れ響く。 |
4~10月運行。函館駅前電停なら上下線各4本。火・水曜日など運休。 |